【2019 特選】伝統と新しい時代への挑戦が生んだ進化系羊羹
「接待の手土産 セレクション 2018」で「香木実」で特選を受賞した長門屋本店から、美しい創作羊羹が登場しました。切るたびに変化する絵柄や、創意性にあふれたパッケージは、手にした人の心がパッと華やぐ魅力にあふれています。
郷土菓子を守りながら、新シリーズを創作
長門屋は1848年(嘉永元年)に福島・会津若松で創業。かるめら、黒パン、あんこ玉など会津らしいお菓子を手作りしてきた、老舗にして素朴な和菓子店です。
東日本大震災を経て、伝統のお菓子を継承することの大切さを改めて感じたと同時に、培ってきた技術を新しい時代につなげたいと、「PONTE(架け橋)シリーズ」の制作をスタートし、その試みは2017年グッドデザイン賞を受賞しました。「羊羹ファンタジア」は、その第三弾として同年春に誕生した商品です。
おいしく、楽しく、夢のある羊羹を
夜空に浮かぶ黄色い月は三日月から満月へ、青い鳥は休めていた羽根を大きく羽ばたかせて……切るたびに絵柄も色合いも変化し、希望に満ちたストーリーを物語る「羊羹ファンタジア」。
透明な空の部分は錦玉羹、雲は小倉羊羹、鳥と月は爽やかなレモン羊羹と、味わいの異なる羊羹を幾層にも流し入れ、クランベリーや鬼クルミ、レーズンで食感もにぎやかに。
羊羹は、長門屋が古くから作り続けるお菓子の一つですが、重い、地味、味に変化がない……と若い人からの人気は遠ざかりつつあったといいます。
お客様からの声で特に気になったのが、「切り分けるのが面倒」ということ。ホールケーキのように切り分けるのがワクワクする羊羹は作れないかと、6代目店主の鈴木静さんと職人たちがアイデアを繰り出し、夢のある前向きな絵柄を考案しました。
往年のジャズナンバーから取った副題「Fly Me to The Moon」(私を月に連れていって)は、新しいことにチャレンジする方への願いが込められています。
インスピレーションは現代日本画から
羊羹とリンクした鮮やかな花々が印象的なパッケージは、福島県在住の日本画家・舛田玲香さんの描き下ろし。ちょうど商品開発を始めた頃、店主の鈴木さんが、とある展示会で舛田さんと偶然知り合い、伝統技法を今に伝えたいという想いで意気投合したそうです。「羊羹ファンタジア」の‟月と鳥”という図案も、舛田さんの華やかで前向きな作風に影響を受けたといいます。
絵柄を一番きれいに楽しめるよう、カット時のガイドライン付きで、残った分は元の箱にすぽっと戻せる仕様になっており、残った分を保存するのも面倒…といった手間もありません。職人とデザインの力で、羊羹のマイナスに捉えられていた部分が見事に解消されています。
「切り分ける」楽しさもギフトに込めて
美しくストーリー性のあるビジュアルは、SNSでも話題に。そのため、品評会の前から気になっていたという秘書の方々もたくさん。実際に食べてみて、羊羹の上品で爽やかな味わいに、味も申し分ないと納得された様子でした。個分け包装が増えている今だからこそ、切り分けるスタイルに新鮮味を感じたという方も。
「年代問わず集まるきっかけになりそう」「切り分けるのが楽しいのでオフィスに持っていきたい」「イベントで飾るのも面白そう」と、手土産やギフトとしての利用シーンの幅も広がります。
門出を華やかに祝うシーンに
大きく羽ばたいてく青い鳥の図柄は、新しい場所や転機を迎える方にぴったりです。外国人ゲスト向けには、日本の細やかな伝統技術をアピールするきっかけにもなりそうです。若い方からお年寄りまで、きっと進化系羊羹の美しさのとりこになることでしょう。
秘書の評価コメント
2022.04 品評時点絵画のような見た目がとても美しく、切り分けるたびに絵柄が変わるのも面白さがあり、とても目を引きます。ナッツやドライフルーツなど洋風の要素を盛り込んだ和菓子なので、外国の方にも喜ばれると思います。(製造業 秘書歴11年1ヶ月)
いただく楽しみ、見る楽しみ、という点においては満点ではないでしょうか。羊羹というと甘く重たいイメージですが、こちらはフルーツも使用されていて、さまざまな世代が楽しめると思います。プライベートでの手土産にも良いですね。(サービス業 秘書歴3年9ヶ月)
こんなに可愛らしくて素敵な羊羹があるなんて! 切るのは面倒だと思いがちですが、これなら楽しんで切り分けられますね。一見すると羊羹が入っているとは思えない外箱もとても素敵ですし、包装から中身まで、絵本のようなストーリーを感じます。(卸・小売業 秘書歴16年2ヶ月)