【殿堂入り 2018】老舗料亭の腕前。知る人ぞ知るまぐろの角煮
神楽坂に佇む、明治時代から代々続く老舗料亭、うを徳。甘辛い味付けでほろりとやわらかく煮たまぐろの角煮は、多くの秘書の方々に大切な取引先への贈り物として重宝され、「接待の手土産 セレクション 2018」で殿堂入りとなりました。
文豪・泉鏡花の小説のモデルになった、明治創業の老舗料亭
うを徳の“うを”は魚、“徳”は初代主人・萩原徳次郎氏の名前からきています。1920年の創業時は魚屋を営んでおり、神楽坂に店を移す際、「魚を売るだけではなく魚を使った料理を提供したい」と料亭を始めたそうです。
かの有名な文豪・泉鏡花も萩原氏の料理を愛し、小説「婦系図(おんなけいず)」で、うを徳を魚屋の「めの惣」として登場させました。現在も風情のあるお座敷で会席料理を堪能することができます。
商品開発のきっかけは舞台を観に来たお客さまへの手土産
まぐろの角煮を開発したきっかけは「婦系図」の舞台を公演していた新橋演舞場の社長から「観劇されるお客様に、手土産にできるものはないか」と言われたこと。先代は元魚屋という特性を生かし、甘辛く煮たまぐろの角煮を作り上げました。当時、お芝居を見ない人でもこの手土産だけをわざわざ買いに来るほどの人気商品だったそうです。
最近では、まぐろの価格の高騰や品質の差から、昔と同じように提供し続けるのは困難になってきたといいます。ですが、そこは元魚屋の老舗料亭。築き上げてきた取引先との信頼関係と抜群の目利きで角煮にふさわしい上質なまぐろを仕入れています。
現在、先代に代わってこの逸品を作り続ける6代目主人・萩原 隆介さんのポリシーは「手を抜かず真摯に向き合い、当たり前のことを続ける」こと。先代のタレを今も変わらず守り、角煮の味を継承しています。
絶妙な火加減で、甘辛くやわらかい角煮に
カツオの角煮のような硬いものではなく、豚の角煮のようなやわらかいものをイメージして、先代が作り上げたまぐろの角煮。煮すぎると硬くなり、煮足りないと味が入らないため、その絶妙な火加減こそが深い味わいを生み出す決め手となっています。その日によって脂ののりが違うため、素材を見極め、細心の注意を払って調理するそうです。
実際に試食した秘書の方は「一口でおいしい!と感じました。やわらかさに目からウロコです」「まぐろの角煮は硬いイメージでしたが、ほどよい食感で食べやすいですね」「しっかり味がついているので、ごはんにもお酒にも合います」と、料亭のこだわりの味と食感に納得された様子。
女将直伝の味わい方は、レンジで10秒ほど温めてから食べること。温かくすることで身と甘辛のたれの香りが立ち、さらにやわらかくなります。甘辛でしょっぱすぎず、口当たりがやわらかい角煮は、贈り物として購入するだけでなく、つい自分の分も買いたくなってしまうほどです。
鮫小紋柄の包みとオリジナルの千社札。老舗料亭らしい贅沢な贈り物
元々、新橋演舞場での手土産、ご贈答用として作られたまぐろの角煮。上質な桐の箱に入れて鮫小紋柄の紙で包み、深い緑色の紐が一つひとつ丁寧に結ばれた高級感のあるパッケージは、取引先との結びつきをより深めたいときにふさわしい贈り物です。包み紙に貼られている「うを徳」のシールにはオリジナルの千社札(せんじゃふだ)を使用しています。
老舗料亭らしい細部への心配りを感じる手土産は、お相手に強い印象を残すでしょう。上品な味わいは、大切な方へのギフトとしても喜ばれます。
伝統のタレが味の決め手。受け継がれる老舗の味を手土産に
お店でじっくりと煮込んで作り上げる逸品は、一口で食べることができ、白いご飯にもよく合うので、子供から年配の方まで喜ばれています。やわらかく体に優しい味わいなので、お見舞いなどに持って行かれる方も多いのだとか。
古くからのお付き合いのある取引先や、懇意にしているお客様へ、文豪が愛した味をお持ちしてはいかがでしょうか。
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