オススメ手土産上級編!秘書が教える“お相手の業種別”攻略法
ビジネスシーンでは様々な業種の方とお取引があるものです。手土産を選ぶ場合、お相手の業種を考慮して品を選ぶことはあるのでしょうか。今回は手土産のマナーの上級編として、現役秘書の方々に、お相手の業種別に気をつけることや、喜ばれるオススメ手土産を聞きました。
「IT」「製造業」「金融・証券」のお相手へのオススメ手土産
現役秘書にお相手の業種によって気をつけていることを聞いたところ、最もその特色が出たのは、お相手がIT関連の企業の場合。
「ITベンチャーは若い人が多いので、ボリューム、見た目を気にします。当日買って渡せるのであれば、話題のスイーツや生菓子を選ぶと感動も大きいのでオススメです」【情報通信・IT 秘書歴4年】や「IT情報関係は女性も多いため、見た目がおしゃれなものがオススメ」【情報通信・IT 秘書歴6年】など、若年層や女性も多いことから、トレンドや流行、デザインを重視するという声が多く上がりました。
中には、「IT業は夜勤務や残業をされている男性が多いので、甘いものよりしょっぱいものにする」【情報通信・IT 秘書歴2年】など、夜遅くまで働く方へ配慮されている秘書もいました。ITに限らず残業の多い職種や企業には、残られている方々の好みや、疲れている時に欲しくなるものを選ぶと喜ばれるでしょう。
製造業の取引先には、「工場が併設されている場合などは特に人数が多いので、なるべく沢山はいっているものがオススメ」【製造業 秘書歴2年】といった量や分けやすさを重視する声や、「赤いものは火災などを連想するので避けています」【製造業 秘書歴7年】など、縁起を気にするという意見が聞かれました。
分けやすさはどの職種においても重視したいポイントですが、普段よりも量を多めにするというのは製造業ならではの注意事項。工場が併設されている場合などは、手土産が行き渡らない方が出ないよう配慮したいものです。
その他、金融・証券関連の取引先には、「相場が落ちることを連想させるため、落花生などはあまりふさわしくない」【金融・証券・保険業 秘書歴7年】や「金融グループごとにつながりの強い製造業やサービス業の企業さまがあるので、競合にならないよう注意しています」【卸・小売業 秘書歴2年】など、業種ならではの注意点があがりました。
グループへの配慮は金融・証券関連に限らず、「商社はライバル社の扱いのものにならないようにする」【製造業 秘書歴7年】や「系列やグループが競合しないよう、グループを念のために調べ、デパートで手配するときは包装紙に気を付けている」【コンサルタント・会計・法律関係 秘書歴7年】などの意見からもわかる通り、他業種にも当てはまる場合があるので、普段から気にかけておくとよいでしょう。
また、金融関連の企業は手土産の受け取りを禁止していたり、コンプライアンスに厳しい場合があるので、リサーチは怠らないようにしましょう。
業種は特に気にしないという意見も
アンケートでは、業種によって選ぶポイントを変えることはないという意見も多く聞かれました。
「業種が品物選びに影響を及ぼす事はあまりないように思えます」【金融・証券・保険業 秘書歴2年】という声や、「昔は気にしていましたが、今は気にすることはありません」【金融・証券・保険業 秘書歴7年】など、特に業種を気にしないという秘書は多く見られました。
むしろ、「業種ではなく、その企業様やお渡し先のご担当部署のことを伺いながら選ぶようにしています」【情報通信・IT 秘書歴7年】や「業種は気にしませんが、お客様と競合する製品は持って行かない」【商社 秘書歴4年】、「男女比率はできるだけ調べるようにする」【教育・研究 秘書歴6年】など、業種という大きなくくりよりも、お相手の部署や競合情報など、より詳しい情報を重視する傾向が強いようです。
また同業種へのオススメ手土産を聞いたところ、どの業種でも多数を占めたのがスイーツ。どんな取引先であってもNGであることが少なく、多くの場面で活躍することから、手土産の定番として秘書の間では重宝されています。迷ったらスイーツにするという秘書も多く、スイーツのレパートリーをいくつか持っておくことで、業種にとらわれないだけでなく、あまり情報のないお相手に手土産を選ぶ時にも便利です。
手土産の基本を忘れず、業種別のポイントも押さえる
どんな業種のお相手でも手土産選びの基本は、やはり相手の立場になること。部署や個人の嗜好に合わせたものを選ぶことは重要です。その上で、縁起の悪いものは控えるなど、業種別のポイントも押さえることでワンランク上の手土産選びができるようになります。基本をおさえた上で、少しずつ知識を増やし、上手な手土産選びをしたいものですね。
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