【プロが教えるビジネスマナー】年末年始のご挨拶

【プロが教えるビジネスマナー】年末年始のご挨拶

接待の手土産 編集部
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12月も半ばを迎え、そろそろ取引先への“年末年始のご挨拶”を考え始めている方も多いのでは。そこで今回は、社長秘書の経歴を持ち、現在は人材育成コンサルタントを行うビジネスマナーのプロ、杉本直鴻(なおこ)先生に、ビジネスにおける年末年始のご挨拶について聞いてきました!


“年末年始のご挨拶”の目的って?

“年末年始のご挨拶”の目的って?

「堅苦しく考える必要はありません。年末年始のご挨拶は、日頃の感謝を改めて伝えることが主な目的。相手との関係をより良好にするための、コミュニケーションの1つとして考えましょう」と、杉本さん。
今回の記事では、主に直接訪問する際のマナーや注意点をご紹介しますが、「感謝を伝える」という目的なので、先方とのスケジュール調整が難しい場合などは、訪問先の優先度を確認した上で、メールや電話でのご挨拶も検討してください。


訪問「前」に気を付けたいこと

訪問「前」に気を付けたいこと

◆訪問の優先度の付け方
「今年の取引では特にお世話になった」「これから大きなプロジェクトを一緒に乗り切る予定がある」などの観点で優先度を決めればスムーズ。
また、挨拶に行く取引先リストについては、上司にも事前に共有を。優先すべき取引先や、同行する必要がある場合は、上司の方から指示があるはずです。
尚、対面でのご挨拶は、年末か年始のどちらか1回のみの訪問が、最近は増えているよう。

◆アポイントは必須ではない
年末年始のご挨拶は、ビジネスマナーとしてはアポイントは必須ではありません。特に年末の忙しいときは、スケジュール調整がお相手の負担になる場合もあるので注意しましょう。
ただし、上司が同行する場合や、どうしても印象付けたい、など特別な理由があるときは、アポイントを取った方が安心です。

◆訪問のタイミング
訪問のタイミングは、一般的には下記の通り。

年末:クリスマス明け~取引先の最終営業日の午前中
年始:1月4日~1月7日(松の内)

特に外資系の企業の場合、年末はクリスマスからそのまま年始までお休みを取る方もいるので注意が必要です。先方の営業日は早めに確認を。
また、年始は「松の内」と呼ばれる1月7日までにご挨拶に伺うのが基本ですが、難しい場合は、せめて「小正月」である1月15日までには済ませましょう。

◆手土産は「お相手が恐縮しないもの」を軸に用意
年末年始のご挨拶には、手土産を持参しなくても“マナー違反”にはなりません。手土産を持参する場合は「お相手が恐縮しない程度」の金額や量のものがグッドです。
特に、オフィスで配りやすい差し入れは、バタバタな年末のひと息のお供として、また、仕事始めに元気を与えてくれるアイテムとして、お相手のオフィスでもよろこばれるはずです。


訪問「当日」に気を付けたいこと

訪問「当日」に気を付けたいこと

◆時間は5~15分で十分
訪問当日は、マナーとして、お相手に余計な時間を取らせないことを念頭に置いて挨拶を済ませます。立ち話のまま、ご挨拶の言葉とちょっとした世間話で終わることがほとんどです。
担当者の方と直接ご挨拶できなかった場合は、名刺を残しておきましょう。「謹賀新年」「新年のご挨拶」というスタンプを名刺に押したり、一言メッセージを書き残しておけば、気持ちも伝わります。

◆挨拶に、具体的なエピソードを盛り込もう
改まったご挨拶と考えると、どうしても定型文のような言葉しか思いつかないことも。そんなときは、ビジネスパートナーとして一緒に乗り切った、もしくはお世話になった案件や、これから共に計画している案件など、具体的なエピソードを少しおり交ぜると、お相手の印象にも残りやすくなります。

◆手土産は、いつ渡してもOK
年末年始のご挨拶は、商談や会食と違い、すでに名刺交換も済ませている相手が主なので、どのタイミングで手土産をお渡ししてもOKです。袋から出し、両手を添えて、ご挨拶とともに丁寧にお相手に届けましょう。


「年末年始のご挨拶」は、相手との関係性を深めるきっかけ

「いつもはメールだけだから、この機会に直接会ってご挨拶したい」という理由でもOK。 挨拶をきっかけに、年末年始の過ごし方など、ささいなことで話が盛り上がることも。
慣習だから、とついつい儀礼的に考えがちな年末年始のご挨拶ですが、本当に大切なのは、「相手への日頃の感謝の気持ちを改めてお伝えして、お互いに気持ちよく年末(年始)を迎える」ということ。お相手との関係性を深めるきっかけとして、ぜひこの機会を活用してみてください。



監修/杉本直鴻
(株式会社SUGIコーポレーション 代表取締役、日本秘書クラブ関東支部 代表)
広告代理店での社長秘書、非常勤役員を経て、株式会社SUGIコーポレーションを設立。現在は、人材コンサルティングを中心に、ビジネスパーソンのキャリア形成や企業へのトータルコンサルティングを行う。
秘書技能検定準1級面接試験審査委員、サービス接遇検定準1級面接試験審査委員としても活躍。

著者の紹介
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※本記事は、公開時点での情報であり、取材に基づいたコンテンツです。記事の内容は情報の正確性を保証するものではございませんので、最新の情報は直接店舗にご確認ください。