お礼のマナーは大丈夫?秘書が教えるビジネス手土産の基礎

ビジネスの場では手土産を渡すだけでなく、当然いただくことも多くあります。お渡しするときのマナーはばっちりでも、お礼の仕方は万全でしょうか。今回は覚えておきたい「お礼」のマナーをお届けします。
秘書に聞く!手土産をいただいた後のお礼の方法

手土産をいただいた場合、お礼の手段をどうすればいいかは意外と悩むもの。
544名の秘書の方にお礼の方法についてのアンケートを行ったところ、約4割の方が「お礼のメールを送る」という回答でした。
まずはメールでしっかりとお礼をすることが重要なようです。なるべく早く感謝の意を伝えるということも大切なポイント。また、メールで感謝の意を伝えることは、「先方が都合の良い時に見られるように」という心配りもあるようです。
その他に票を集めたのが、「何かの折に電話や対面でお礼を伝える」や「印刷したお礼状(封書)」でした。やはり対面や電話をする機会がある場合には、お礼をするのが必須です。
秘書の方からも「会って伝えるのが一番伝わる」という意見が多く聞かれました。しかし、わざわざそのためだけに訪問するのは少し過剰な対応です。相手の方の時間を割いてしまうことになりますから、何かの折に伝える方がスマートです。
お礼状の場合は、特に大切なお客様でない限りは、印刷したお礼状で問題はありません。ただしお礼状の場合は、いただいた日から数えて、遅くとも3~4日以内には相手の方に届くようにしましょう。
お礼をしなくてもよい場合も

贈り物をいただいたらお礼をするのが一般的ではありますが、時にはお礼をしなくてもよい場合もあるようです。
1.よく会う相手の場合
「顔の知れた相手の場合」「頻繁にお会いする方」には、あえてお礼をしないことも多いようです。一定以上の関係性が構築されている場合、いただいたときにしっかりとお礼を伝えるほうが、形式的なお礼状よりもよいコミュニケーションとなる場合もあります。親しい方には「余計な気を使わせない」というのも礼儀のひとつです。
2.形式的な手土産の場合
「営業の方が挨拶で持ってきた場合」「明らかに形式的だとわかる場合」は、お礼をしないという秘書の方も多いようです。また「こちらが贈った手土産に対する相手からのお礼の品」や「接待時にこちらが支払う場合にいただいた相手方の手土産」など、双方がおもてなしをしていたり、お礼が完結している場合は、特別にお礼をしなくても問題ありません。
3.謝罪の際の手土産や香典返しなど
「相手が謝罪で手土産を持参した場合」や「香典返しなどの場合」は、むしろお礼をしないのが一般的です。
4.その他
その他には「お中元やお歳暮にはお礼をしない(金融・証券・保険業、秘書歴7年)」という意見もありました。特にお中元などが大量に届く方の場合などは、割愛することもあるようです。
また「下請け業者からの場合」や「ビジネス上相手の期待に応えられないときは余計な気をもたせないため送らない」など、ビジネス上の問題や関係性を理由にお礼をしないというケースもあるとのことです。
お礼は迅速に、まずはメールで
ここまで現役の秘書の方に手土産のお礼について伺いましたが、大切なのは、しっかりと感謝の意を伝えることと、迅速に伝えるということです。万が一、時間が経ってしまった場合は、お詫びの言葉を添えることも重要です。まずはメールで、機会があれば対面で、感謝の意を伝え、相手の方と今後も良好な関係性を築いていきたいですね。
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